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フリーランスは稼げる、という評判を耳にして転職を検討するインフラエンジニアは多いでしょう。しかし手取り・経費・保険料を含めた実数値で比較すると、その判断は大きく変わる可能性があります。本記事では、SES正社員とフリーランスの年収実態を具体的な数値で徹底比較し、実際の損益分岐点を明らかにします。【読了時間:約7分】

SES正社員とフリーランス…

「単価80万円のフリーランスはSES正社員の2倍稼げる」という言説を聞くことがあります。しかしこれは大きな誤解です。額面と手取りは全く異なります。フリーランスは国民健康保険・国民年金・所得税・住民税を全額自己負担する必要があり、これらの負担は正社員よりも大幅に増加するとされています。

SES正社員の場合、会社が社会保険料の半分を負担し、給与から自動的に税金が天引きされるため、手取り額の計算は比較的シンプルです。一方、フリーランスは売上から自分で経費を差し引き、国民健康保険や国民年金を支払い、翌年に所得税を納める必要があるため、管理が複雑になります。

年収500万円の正社員 v…

具体的な数値で比較してみましょう。東京都内在住、独身、特定の控除要件がない場合を想定した概算値です。

項目SES正社員(年収500万)フリーランス(単価65万×12ヶ月)
額面年収500万円780万円
社会保険料(健保+年金)約75万円(会社折半)約120万円(全額自己負担)
所得税・住民税(概算)約55万円約130万円
経費(PC・通信・学習)会社負担約30~50万円
実質手取り(概算)約370万円約480~500万円

表からは、フリーランスの手取りが正社員を上回る可能性が見えます。ただし、ここには重大なリスク要因が隠れています。それが、案件終了から次の案件までの空白期間です。この空白期間が月1~2回あると、年収は大幅に下落するとされています。

フリーランス転向で増えるコ…

フリーランスになると、正社員では経験しない新たなコスト負担が発生します。これらのコストを過小評価すると、予想以上に手取りが減る可能性があります。

国民健康保険の負担増

国民健康保険の保険料は、前年度の所得をベースに計算されるため、会社の健康保険より高くなる傾向にあるとされています。年収600万円の場合、自治体によって異なりますが、年60~80万円程度の負担が予想されます。

特に注意が必要なのは、退職後の保険加入です。フリーランスになる際に、健康保険を被扶養者から外されたり、前年度の所得が高い場合は初年度から高額な保険料を請求される可能性があります。

国民年金の負担

正社員は厚生年金に加入しており、会社と折半して保険料を支払っています。一方、フリーランスは国民年金に加入する必要があり、定額で月約16,980円(2025年度)の支払いが求められるとされています。

年間にすると約20万円以上の支払いになります。さらに重要な点として、国民年金の将来受給額は厚生年金よりも少なくなる可能性が高く、長期的なライフプランを考える際には注意が必要です。

確定申告と税理士費用

フリーランスは毎年確定申告を行う必要があります。freeeなどの会計管理サービスを利用する場合、年5,000~10,000円程度の費用がかかるとされています。さらに、複数案件の請求書管理や特殊な控除がある場合は、税理士に依頼するのが安全であり、その場合は年10~20万円程度の費用が追加でかかる可能性があります。

通信費・PC・学習費用の負担

正社員の場合、会社が支給するパソコンやネット環境、研修費用を負担してくれます。フリーランスは全て自己負担です。高性能なPC購入費用(30~50万円)、毎月の通信費(5,000~10,000円)、スキルアップのための資格試験費用(数万円)など、積み重なると年30~50万円程度になるとされています。

案件空白期間のリスク

これが最大のリスク要因です。案件終了から次の案件開始まで、1~2ヶ月の空白期間が年1~2回発生するのは珍しくありません。この期間は収入がゼロになるため、月単価65万円で計算した年収も実際には60~70万円ダウンするとされています。つまり、額面でのフリーランスの優位性が、空白期間で大幅に相殺される可能性があります。

損益分岐点はどこにあるのか

これまでの分析から、フリーランスが正社員を上回る年収を得るには、一定の条件が必要であることが分かります。その条件が「損益分岐点」です。

月単価65~70万円が一つ…

複数の試算パターンを検討すると、月単価が65~70万円に達すると、空白期間のリスクを考慮しても、フリーランスの手取りが正社員を上回る可能性が高まるとされています。ただし、これはあくまで目安であり、以下の要因によって大きく変動します。

  • 年間稼働月数(空白期間の長さ)
  • 在住地域(社会保険料率が異なる)
  • 家族構成(扶養者がいると保険料率が変わる)
  • 経費の規模(PC更新頻度など)
  • 税務申告方法(白色・青色申告の違い)

単価50~65万円の場合は…

単価が50~65万円の場合、損益分岐点に非常に近い領域です。この場合、以下の点を詳細に検討する必要があるとされています。

まず、年間稼働月数を現実的に見積もることが重要です。フリーランス市場では、案件獲得に2~4週間要することが一般的であり、年12ヶ月全て稼働することはほぼ不可能です。実際には10~11ヶ月の稼働が現実的な想定とされています。

また、スキルアップによる単価上昇を狙う戦略も有効です。フリーランスになって1~2年で、経験を積むことで単価が70万円以上に上昇する可能性もあります。

税金と社会保険の詳細解説

所得税の計算方法

フリーランスの所得税は、売上から経費を差し引いた所得に対して課税されます。年収600万円のフリーランスで経費が100万円だった場合、課税される所得は500万円となるとされています。

その後、基礎控除(48万円)や青色申告控除(65万円)などの各種控除を受けることで、課税所得がさらに減少する可能性があります。つまり、正社員よりも節税の選択肢が広いというメリットがあるとされています。

住民税と事業税の負担

所得税の他に、住民税が課税されます。住民税の税率は一律10%であり、前年度の所得に対して課税されるため、年によって変動するとされています。

また、事業所得が290万円を超える場合、個人事業税(税率3~5%)の納付が必要になる可能性があります。これらの税金は月々の給料から天引きされず、毎年数十万円の支払い義務が生じるため、年間の資金計画に組み込むことが重要です。

消費税の納税義務

売上が1,000万円を超える場合、消費税の納税義務が生じるとされています。フリーランスのインフラエンジニアが請け負う案件の単価が高い場合、この閾値に達する可能性があります。消費税の納税は、預かった消費税から仕入税額控除を差し引いた額となるため、事前計算が重要です。

フリーランス転向を検討する…

経験5年以上で単価70万以…

この条件を満たす場合、フリーランスへの転向を強く検討する価値があるとされています。理由として、スキルと実績が十分に積みあがっており、案件獲得の難易度が低く、単価交渉も有利に進む可能性が高いためです。

また、5年以上の経験があれば、複数の企業との信頼関係が構築されており、案件の安定性も期待できるとされています。空白期間のリスクも最小化でき、年収面での優位性が確保しやすくなります。

経験3~5年で単価50~6…

この層は「検討段階」に該当するとされています。手取りで正社員を上回る保証はありませんが、その後のスキルアップによって可能性が開ける領域です。

この場合の戦略として、フリーランス転向直後は単価50万円程度でも、1~2年で単価を上げることを前提に計画を立てることが重要です。また、案件が途切れないよう、複数の発注元との関係を事前に構築しておくことも効果的とされています。

経験3年未満は慎重な検討が必要

経験が3年未満の場合、フリーランスへの転向は慎重に検討すべきだとされています。理由として、スキルと実績が不足している可能性が高く、案件獲得が困難になり、単価も低くなる傾向にあるためです。

この段階では、SES企業などで複数現場での経験を積むことが優先されるべきです。異なるネットワーク構成、セキュリティ環境、クラウドプラットフォームなど、多くの実務経験を積むことで、後のフリーランス転向時の市場価値が大幅に向上するとされています。

フリーランス転向前の準備と…

貯金は最低でも3~6ヶ月分…

案件空白期間に対応するため、最低でも3~6ヶ月分の生活費を貯金としして確保しておくことが重要です。月40万円の生活費であれば、120~240万円の貯金が推奨されるとされています。

さらに、急な医療費や機材トラブルに対応するため、これとは別に予備費を用意しておくことも有効です。

複数の案件発注元を事前に確保

フリーランスになった後に案件を探すのでは遅いとされています。転向前から複数の発注元と関係を構築し、「フリーランスになったら案件をくれるか」という打診をしておくことが重要です。

理想的には、3~4つの発注元を確保しておき、案件空白期間のリスクを分散することが推奨されます。

健康保険・年金の手続きを早…

退職後、国民健康保険と国民年金の手続きを忘れると、医療費の全額自己負担やペナルティが発生する可能性があります。転向前に市区町村役場に相談し、スムーズに手続きを進める計画を立てることが重要です。

年間の資金計画シミュレーション

月単価×予想稼働月数から売上を計算し、そこから社会保険料・税金・経費を差し引いたシミュレーションを複数パターン作成することが推奨されます。楽観的なシナリオだけでなく、保守的なシナリオも含め、最悪のケースに対応できるか判断することが重要です。

まとめ

フリーランスは稼げるという評判は、半分は真実で、半分は誤解である可能性が高いとされています。額面の単価は確かに高いですが、国民健康保険・国民年金・所得税・住民税などの負担が大幅に増加し、さらに案件空白期間のリスクがあるためです。

フリーランス転向で手取り年収を増やすには、月単価が65~70万円に達することが一つの目安となるとされています。ただし、個人の経験・スキル・在住地域・家族構成によって大きく変動するため、実際の判断の際には、税理士やファイナンシャルプランナーに相談することが強く推奨されます。

最後に、フリーランスへの転向は金銭面の改善だけでなく、自由度や学習機会の向上など、多くのメリットがあるとされています。ただし、安定性と引き換えになるため、現在のキャリアステージと人生設計を総合的に判断した上で、慎重に決断することが重要です。

ABOUT ME
たから
サラリーマンをしながら開業して経営やってます。 今年、本業で独立・別事業を起業予定です。 ◆経験:IT講師/インフラエンジニア/PM/マネジメント/採用/運用・保守・構築・設計 ◆取得資格:CCNA/CCNP/LPIC-1/AZ-900/FE/サーティファイC言語 ◆サイドビジネス:アパレル事業/複数のWEBメディアを運営