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現場実践|AWS制限・Service Quota管理

AWSのService Quotasと制限管理|本番障害を防ぐためのクォータ確認と引き上げ申請の実践

「本番環境でAWSの制限に引っかかって障害になった」——AWSのService Quotas(サービスクォータ)の仕組み・よく問題になる制限の種類・事前に引き上げ申請するタイミングと方法を解説します。

読了目安:約15分更新日:2026年4月

💡 AWSには全てのサービスにデフォルトの制限(クォータ)があります。「本番環境でEC2が起動できなくなった」という障害の原因がクォータ上限というケースが現場では頻発します。事前の確認と引き上げ申請が重要です。

この記事を書いた人
現役ITエンジニア・IT講師(経験14年)
CCNA・CCNP 取得LPIC-1 保有SES現場を複数経験

AWSのクォータ問題によるインシデントを複数経験してきた立場から解説します。

1. よく問題になるAWSのクォータ

サービス・リソースデフォルト制限問題になるタイミング
EC2 vCPU数(リージョン別)オンデマンドStandard: 32〜96 vCPUAuto Scalingでスケールアウト時・大量のEC2を起動しようとした時
VPC数リージョンあたり5VPC複数環境を作っていくうちに上限に達する
EIPアドレス数リージョンあたり5個NAT GWを複数作成した時
Lambda同時実行数アカウントあたり1,000大量のLambdaが並列実行されるサービス
Security Groupのルール数セキュリティグループあたり60インバウンド多数のIPを許可するルールを追加した時

2. Service Quotasでの確認と引き上げ申請

1
Service Quotasコンソールで現在のクォータを確認
AWSコンソールからService Quotasを開いてサービスを選択する。「使用中のクォータ」タブで現在の使用量と上限を確認できる。
2
CloudWatchでクォータの使用率アラームを設定
Service QuotasはCloudWatchとの統合でクォータ使用率が80%を超えたらアラームを出す設定が可能。本番環境では必ず設定する。
3
プロジェクト開始時に引き上げ申請する
新規プロジェクトでEC2を大量に使う予定があれば、プロジェクト開始前にvCPUクォータの引き上げ申請をする。申請から反映まで数日かかることがある。

3. クォータ管理をTerraformで自動化

Service QuotasはTerraformのaws_servicequotas_service_quotaリソースで管理できます。Terraformコードにクォータの引き上げ申請を含めることで、インフラのコード化と同時にクォータ管理も自動化できます。ただし申請後の反映はAWSの審査が必要なため即時反映ではありません。同じくEC2側の運用作業を自動化するなら、AWS Systems ManagerによるEC2運用自動化も併せて検討するとよいでしょう。

4. AWS Organizations配下・マルチアカウント環境でのクォータ管理

Service Quotasはアカウント単位・リージョン単位で管理されるため、AWS Organizationsで複数アカウントを運用している場合は各アカウントごとにクォータを確認・申請する必要があります。特に本番用アカウント・開発用アカウント・検証用アカウントを分けている構成では、開発環境のvCPUクォータを引き上げても本番環境には反映されない点に注意してください。アカウントを分割して運用する場合は、AWS IAMの最小権限設計と組み合わせ、権限とクォータの両面から統制すると安全です。

  • Service Quotasの「クォータリクエストテンプレート」を使うと、新規アカウント作成時に指定リージョン・指定クォータを自動で引き上げ申請できる
  • AWS Control Towerでアカウントを量産する運用では、テンプレートでの事前設定がクォータ不足による初期構築失敗を防ぐ
  • 組織全体のクォータ状況を横断的に把握したい場合はAWS Trusted Advisorのサービス制限チェックも併用する

なお、Azureにもサブスクリプション単位の同様のクォータがあります。両クラウドの設計思想の違いはAWSとAzureの比較完全ガイドで整理しています。

5. Service Quotas AWSに関するFAQ

Q. Service Quotasの確認・引き上げ申請自体に費用はかかりますか?
A. Service Quotasの利用・確認・引き上げ申請そのものは無料です。課金が発生するのは、引き上げ後に実際にリソース(EC2インスタンスなど)を稼働させた分のみです。
Q. クォータの引き上げ申請はどのくらいで反映されますか?
A. サービスやリージョン、申請内容によって異なりますが、数分〜数日かかるケースがあります。本番環境で必要になる前に、余裕を持って申請しておくことが重要です。
Q. EC2以外でよく引っかかるクォータはありますか?
A. RDSのDBインスタンス数(デフォルト40)、S3のバケット数(デフォルト100)なども中小規模のプロジェクトで上限に達しやすいクォータです。Service Quotasコンソールで対象サービスを検索して事前確認することをおすすめします。
📌 この記事のポイント
  • EC2 vCPU・VPC数・Lambda同時実行数・EIP数がよく問題になるクォータ。プロジェクト前に必ず確認する
  • Service QuotasのCloudWatch連携で使用率80%超のアラームを設定して事前に引き上げ申請する
  • 新規プロジェクト開始時にService Quotasを確認して必要なクォータを事前に引き上げ申請するのが鉄則

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※クォータのデフォルト値はAWSにより変更される場合があります。最新の値はAWSコンソールでご確認ください。

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たから
フリーランスIT講師/エンジニア。 ◆経験:IT講師/インフラエンジニア/PM/マネジメント/採用/運用・保守・構築・設計 ◆取得資格:CCNA/CCNP/LPIC-1/AZ-900//サーティファイC言語/情報処理技術者 ◆サイドビジネス:アパレル事業/複数のWEBメディアを運営